ブランディングはユーザーの共感や信頼の獲得を通じてその価値を高めるマーケティング戦略ですが、この記事ではコーポレートアイデンティティやヴィジュアルアイデンティティーを整える事以外の方法でブランドやサービスの価値を高めるアプローチについて考えていきたいと思います。
一般的にはユーザーとのコミュニケーションを図る上で、必要な要素を整えていく行為がブランディング施策の広義だと言えます。ロゴやホームページなどのプロモーションツールから店舗やオフィスのデザイン、経営理念やフィロソフィーなど。ですが、実際の経済活動や事業の成果を上げるためには伝え方についても考えていかなければなりません。そのブランドがどのように広がっていくか、どのように成長していくか。そこまで戦略をたてることでその効果を最大化できると考えられます。
視点を変えれば、ブランドを広く認知させることにプライオリティを置くことも十分なブランディングと考えられます。広告を一切打ち出さない飲食店が繁盛しているのは、口コミという伝達方法で広域に情報が広がるというブランディング手法を最大限に享受しているといえます。このことから、ブランドの性質によってはコーポレートアイデンティティやヴィジュアルアイデンティティーを整える前に、サービスの質や商品の良さをどのように伝達していくかというコミュニケーション手段を確立することが一番の近道になる場合もあります。
Web以降は大きな広告費を使わずに広く告げることができるので、Webを使った情報伝達でブランディングを行うことを考えていきます。
露出することでブランディングしていく
インターネット以前はテレビCMや新聞広告がマスに目を止めてもらう方法の一つでした。この露出度が高ければ高いほど多くのユーザーの目に止まり「周知」という面のブランド価値が上がっていたと考えられます。インターネット以降はWebを有効活用しブランド価値を高めるといった施策が有効だと考えられます。検索サイトの上位化やクリック課金広告など検索エンジンにおいての露出からヴィジュアルや情報付きで露出可能なディスプレイ広告やSNSの活用など企業やサービスが露出できるメディアは多岐に渡ります。他にもGoogleが提供するGoogleマイビジネスやNeverまとめを代表するキュレーションサイトなど自社以外のツールも活用すれば露出できるプラットフォームは多岐に渡ります。このようにWebを通して露出を行い、ブランドの浸透を推進していくことでブランド価値工場の一翼を担うことができると考えます。またWebの場合は数値的な指標もとりやすく、アナリティクスを活用しアクセス数やPV数を数字を追うことはもちろんのこと、広告のインプレッションをブランディングのKPIの一つにしても良いですね。
セールス自体がブランディングになる
ECビジネスにおいては売る事自体がブランディングになります。「楽天ランキング1位」や「口コミサイトで話題」といったフレーズはそれだけでブランド価値を高めます。楽天やAmazonは価格競争力があり、質のいい商品であれば売れる確立が高く、ランキングに載せるために意図的にキャンペーンを行えばランクインすることは間違いなしです。商品をたくさん売った結果で特定の権威がつくため、そのことによって「付加価値」がつくのです。「創業100年」や「施工実績1,000件」なども販売してきた実績になるので、販売してきた実績に権威付けを行って広めるといった行為はブランド力を高める近道になり得ると考えられます。
ウェブを利用したブランディング
またWebの特徴としては、情報伝達以外に体験ができたり、評価を行えることができる点です。ユーザーの意欲、体験、分析、対話が可能になるソリューションなため、ブランド価値を高めるためのPDCAを回すことが可能となります。分析できる特性を生かして、サービス・商品の内容とその佇まいとニーズを相対的に監視しながら質を高めて行けば、おのずとユーザーとの距離が縮まりそのブランド価値は高まります。その中に「このようにありたい」といった主眼をしっかりと持つことで唯一無二なサービス・商品が出来上がると考えています。