ホームページやロゴ、名刺にチラシなどデザインを頼んだけど、「思っていたものと違う」といった経験はどのような事業者でも経験したことがあると思います。今回はデザイン制作会社=作り手側からアドバイスできる「うまく発注するコツ」をお伝えしたいと思います。
出来上がってきたデザインにがっかり
事業者はビジネスの販売促進のために、チラシやロゴから看板やホームページを作ります。競合優位性を図るためにより良いデザインに仕上げることは事業者にとって、とても大切なミッション。しかし、多くの事業者はプロに頼んだはずの出来上がったデザイン案を見て、「何かが違う」「しっくりこない」「クオリティが低い」と思った経験は誰もが一度は経験したことがあるでしょう。プロのデザイナーなんだから、想像を超える素敵なものを創ってくれると思っていたのに、しょぼい出来上がりにガッカリ。このような期待通りの結果にならないことには必然的な理由があります。このようなことにならないためにも本記事を読んでいただき、デザインを発注するときの注意事項をしっかりと把握し、デザインを発注してほしいと思います。
なぜ、期待通りのクリエイティブにならないのか?
様々の要因が考えられますが、大きくは「頼む人を間違えている」もしくは「伝え方が悪い」のどちらか。
目的に合ったものが作れて、その人・会社にしっかりと何をしたいか伝えられれば、しっかりしたデザインが仕上がってきます。またひとえにデザインと言っても多種多様なものがあるため、事業者さんがイメージしているものとデザイナーがイメージしているものが違うパターンもあります。期待通りのデザイン・クリエイティブにするためには目的にあったデザイナーに頼んで、適切な伝え方をする必要があります。
具体的な発注方法
まずは誰に頼むかを決める。窓口になっている人は、課題を解決できる人なのかどうか。実績は十分にあるか。など見極めが必要になります。例えば、話をしている相手がデザイナーでない場合、もしくはデザイナーが打ち合わせに同席していない場合は要注意。実際にデザインを行うのは外注だったりします。窓口になっているプロデューサーやディレクターのスキルがかなり高ければ、問題ありませんが、そんなにスキルの高い人材は中々見かけることはありません。しっかり内省化できている会社にしましょう。また得意分野も会社によって異なります。弊社は商業的なデザインは得意としていますが、抽象的でアート性の高いデザインは対象としていません。規模も小さくて有名ではないけど、あるジャンルでは力を発揮するデザイナーもいるので、発注するプロジェクトの目的を明確にして、その課題解決が最も得意な会社にお願いすべきです。
- フリーランスに頼む場合はしっかりと実績を確認する
- 制作会社ごとに特長があるため、何が得意かを確認する
- 人員構成を確認する。ホームページを頼むのにエンジニアがいない場合はクオリティが低いです。
- スタッフの時間もしくは人日単価を確認する。パッと言えない会社は時価で費用を決めているので、クオリティも曖昧になります。
伝え方に関しては、ある程度は事業者側でも労力が必要になってきます。「お金払うんだから、プロに全部お任せ」というスタンスでは失敗します。良いものを創るためにはしっかりとした下ごしらえが必要で、その下ごしらえは発注側も負担するとより良い成果が生まれます。具体的には目的や要望をドキュメントにまとめる。まとめ方もより具体的にした方がいいでしょう。KPIなどの数字で表すとさらに良いです。ビジュアルについてはInstagramやPintarestなどで参考イメージを集めておくのも良いでしょう。イメージが引っ張られてしまい独自性が出ないんじゃないか?という意見もありますが、プロのデザイナーであれば、イメージや意図を汲み取ってどのように独自性を出すか?という思考のプロセスで取り組むので、出し惜しみせずイメージしているものや意見をまとめておくと良いでしょう。
- 目的や要望を明確にしドキュメント化しておく。
- 競合他社などのライバル、目指している会社・サービスをリストアップしておく。
- 誰が最終意思決定者なのかを伝えておく。
- イメージは纏めておく
- 制作会社に下準備の時間を与える。要望などは打ち合わせ前に伝えておく
- お任せで!と言うのであれば、完全に任せる。実績・経験のある会社であれば、あなたより確実に良いものが創れます。
結果的にコストカットにつながる
業者選びも下ごしらえもしっかり行えば、コストカットにつながります。専門性が高く内省していれば、外注費がかからないので、コストは安く、無駄な販管費や営業活動費はかかりません。
修正回数や打ち合わせ回数も少なければ、その分コストは浮きます。(費用的なコストカットだけでなくプラスアルファのサービスが望める)
業者選びも下ごしらえも大変なリソースが必要ですが、結局は良いものが作れてコストパフォーマンスも高くなります。
認識の齟齬が「思っていたものと違う」を発生させ、コストアップにつながるのです。その認識の齟齬を埋めるためにはある程度はデザイン・販促物にかけるコストは金銭的コストだけでなく人的コストもかかるのだと言うことを忘れないでいただきたいと思います。
デザイナーは業者じゃない。パートナーである。
まず「業者」とかんがえたらダメ。事業の成長をサポートしてくれるから、伴走してくれるパートナーと思って接するべきです。クリエイターやデザイナーのほとんどは自分の力で人や社会の役に立ちたいと思っているような人たちなので、大事にすればするほど、それが返ってきて、必ずあなたの会社の役に立ちます。こんなはずじゃなかったとならならないように本記事をぜひ実践してみてください。